vastsa/PI-Desktop
AIエージェント専用の作業場を用意し、中身は拡張で組み立てる
どういうものか
エディタでもターミナルでもない、AIエージェントのための独立した作業場を用意するデスクトップアプリだ。LGPL-3.0。配布されているのは macOS(Apple Silicon と Intel)・Windows(x64)・Linux(x64)向けで、macOS 版は開発者証明書で署名され Apple の公証を通っている。README は現在の版を 0.15 系、早期プレビューと明記している。
作りの要になっているのがプラグインだ。README の言い方では、中核は小さく保ち、実際の作業の流れは拡張のほうで組み立てる。足せるものはエージェントの道具やスキルだけではない。画面そのものを足す(パネル、右側の作業欄の表示、浮かぶ小窓、テーマ)ことも、土台を足す(MCP サーバー、常駐するサービス、プラグイン同士が話す通り道)こともできる。プラグインは .piplug という形で配るか、マーケットプレイスから入れる。
もうひとつの柱が任せ方の段階だ。まず仕事の頼み方に3つある。そのままやらせる Agent、先に計画を出させてから進める Plan、目的と達成の条件だけ決めて道筋は任せる Goal。そのうえで、一人のエージェントで足りないときの受け渡しが2段ある。サブエージェントは、調査や実装やテストの分析といった独立した仕事を、それぞれ別の文脈で背後に走らせて結果を返す。セッションオーケストレーターはもっと長い仕事向けで、丸ごと一つ分のセッションを担当者(Worker)として複数立て、親のセッションから束ねる。どの担当者も独立して動き、中をそのまま覗ける。README によれば、作業の単位は使い捨てのチャットではなく「プロジェクト → セッション → エージェント → 作業」で組まれていて、セッションはアプリを閉じて開き直しても続けられる。モデルは差し替えられる部品として扱われ、OpenAI・Anthropic・互換の API・自前の中継・Ollama・LM Studio・手元のモデルから選び、同じセッションの途中でも切り替えられる。
どんなときに使うか
エージェントの作業を、エディタやターミナルの外に出したいとき
プロジェクト・セッション・確認・プレビューが、特定のエディタに寄りかからない場所にまとまる。セッションは閉じて開き直しても続き、留め置き・保存・枝分かれ・検索ができる。
仕事を分けて、複数のエージェントに並べて進めさせたいとき
前側・後ろ側・テスト・確認のように担当を分けて、それぞれを丸ごと一つ分のセッションとして走らせ、親から束ねられる。ひとつの文脈に詰め込みたくない長い作業のための仕組みだ。
注意点
早期プレビューと明記されている。 README は現在の版を 0.15 系の早期プレビューだと書いている。開いている issue とプルリクエストは合わせて140件台にのぼる。長く使う道具として据える前に、この段階であることは見ておきたい。
ライセンスが LGPL-3.0。 自分で使うぶんには問題にならないが、自社の製品に組み込むことを考えている場合は、条件を先に確かめておきたい。
手元で完結するが、モデルへの送信は別。 プロジェクト・セッション・設定・記録は手元に置かれ、API の資格情報は OS の鍵束に入る。PI-Desktop 自身のアカウントも中継も必須ではなく、計測(テレメトリ)も無いと書かれている。ただし遠くのモデルを使う場合、依頼に必要な文脈はその提供元へ直接送られる。手元のモデルを使うかどうかで、ここは変わる。
Linux 版には条件がある。 x64 のパッケージは glibc 2.35 以上を必要とし、README が例に挙げているのは Ubuntu 22.04 以降・Debian 12 以降・Fedora 36 以降だ。
エージェントの権限は自分で決める形になっている。 ファイルの読み書き、コマンドの実行、道具の呼び出しはできるが、README によれば特権を要する操作は許可の層を通り、許す・聞く・拒む、のいずれかになる。どこまで任せるかはセッションごとに決める。