pacifio/atlas
コミットに「どのAIが、何を頼まれて書いたか」を結びつけて残す
どういうものか
AIエージェントに書かせたコードについて、その変更がどのやりとりから生まれたのかを記録しておくためのデスクトップアプリだ。README はこれを「エージェントのためのソース管理」と呼ぶ。Apache-2.0、Tauri で作られていて、配布されているのは macOS 向けの .dmg と Windows 向けの .msi。Linux は同じコードからビルドできるが、README は試験されていないと書いている。
中心にあるのが「チェックポイント」という記録だ。エージェントとのやりとりは、指示した文・呼び出した道具・触ったファイル・当てたパッチまで含めて、手元の .atlas/sessions.db に記録される。そしてコミットが作られると、そのコミットがどのセッションから出てきたかが結びつけられる。README によれば、コミットは横取りするのではなく観測しているので、ターミナルから打ったコミットでも、別のエディタからのものでも、Atlas を閉じている間のものでも結びつく。rebase や amend で履歴が書き換わっても、パッチの同一性をたどって結び直す。squash でまとめた結果どれと結ぶべきか本当に決まらなくなったときは、推測せずに切り離すとある。読み返すのに生のログを追う必要はなく、チェックポイントを選んでそのまま質問できる。
もうひとつの柱が、複数のエージェントを同じコードに並べて走らせることだ。Claude Code と Codex は外部のプロセスとして ACP という取り決めの上で動き、Atlas 自身のエージェントはアプリの中で動く。加えて ACP のレジストリにあるもの(Cursor、OpenCode、Kilo Code など)も呼び出せる。README が挙げる要点は、記憶が共有されることだ。Claude Code が下した判断が Codex の次の指示に現れ、自分で書いた CLAUDE.md や AGENTS.md、.atlas/knowledge/ のメモも、同じ索引にまとめて渡される。指示文に @ で差し込んだファイル・記号・ブランチ・過去のセッションは、送る前に手元で解決される。README によれば、フォルダは中身を貼らずに場所を指す形で渡るため、一度触れただけで文脈の枠を埋め尽くさない。意味の近さを測る計算も端末の中で行われる。
どんなときに使うか
数か月前のコードを見て、なぜこうなったのか分からなくなるとき
エージェントが書いたコミットに残るのは、モデルが書いた要約だけになりやすい。Atlas はそのコミットから、当時の指示・試して捨てた手順・呼び出した道具までたどれる形にする。コードではなく判断のほうを探したい場面に向く。
エージェントを途中で乗り換えると、説明をやり直しになるとき
Claude Code と Codex は、そのままでは互いの履歴を読めない。Atlas は両方の記憶を同じ索引にまとめて渡すので、README によれば、片方が決めたことがもう片方の次の指示に現れる。
注意点
まだ新しく、動作が確かめられている範囲は広くない。 ACP のレジストリから呼べるエージェントについて、README は品質確認が進行中だと注記している。対応が明記されている環境は macOS 13以降と Windows 10以降(x64)で、Linux は未検証。2026年5月に始まったばかりのリポジトリでもある。
手元で完結するが、初期設定では利用状況の送信が入る。 コード・メモ・セッションは端末に残り、エージェントを動かすためにアップロードはされない。ただし匿名の利用統計は既定で有効だと README に書かれている(送られるのは粗いメタデータで、コードや指示文は含まれないとある。切り方は TELEMETRY.md)。同期やチームでの共有は、アカウントを作って明示的に選んだときだけ動く。
閉じ込めない方針だが、例外がひとつある。 メモは Markdown、セッションは JSONL と、普通のファイルで置かれる。ただしチェックポイントの記録だけは SQLite で、プロジェクト内の(Git の追跡から外した).atlas/ に置かれる。読むものではなく問い合わせるものだから、というのが README の説明だ。
開いているものは多くない。 issue とプルリクエストを合わせて30件弱。更新は活発に続いている。