obra/superpowers
思いつきで書き始めさせず、設計から合流までの手順を毎回踏ませる
どういうものか
Superpowers は、コーディングエージェントに「開発の進め方」一式を持たせるスキル集。ただ、個々のスキルより目立つのは、それを必ず使わせる仕掛けのほうだ。セッションが始まると、フック(決まったタイミングで自動で走る小さな処理)が、スキルの使い方を定めた指示書を会話の最初に差し込む。そこには「当てはまる可能性が少しでもあれば必ず使う」「“簡単な質問だから” は省く理由にならない」といった決まりが並び、エージェントが手順を飛ばすときの言い訳が先回りして潰してある。スキルは提案ではなく、守る手順として扱われる。
手順は細かく数えると7段ある(図では4つにまとめた)。まず質問を重ねて何を作るのかを詰め、設計を小分けに見せて人の承認を取る。承認が出たら git の作業用の枝を別に切り、作業を2〜5分で終わる大きさに割った計画を書く。実装はその作業ごとに新しいサブエージェントに渡し、渡すのは計画全体ではなくその作業の要件だけに絞る。1つ終わるたびに「計画どおりか」と「コードとして健全か」の2段で確認し、落ちれば直して確認し直す。5回やっても片付かなければ、全体を見ている側が扱いを決める。テストを先に書く(テスト駆動)ことが前提で、最後にテストが通るのを確かめてから、合流する・プルリクエストにする・そのまま残すの3つを人に選ばせ、作業用の枝を片付ける(捨てるのは、本人がそう頼んだときだけと決められている)。
中に入っているスキルは、テスト駆動、原因を4段階で追うデバッグ、「終わった」と言う前の検証、コードレビューの頼み方と受け方、作業の並列化など、開発の工程に寄っている。スキルの書き方を教えるスキルも含まれる。対応先は Claude Code のほか、Codex、Cursor、Gemini CLI、GitHub Copilot CLI、OpenCode など十数種。
どんなときに使うか
頼んだ途端に書き始めて、あとで前提のずれに気づくとき
最初に質問と設計の承認が必ず挟まるので、食い違いがコードを書く前に表に出る。「思っていたのと違う」を何百行も書かれてから知る、ということが減る。
大きめの作業を、しばらく目を離して進めさせたいとき
横について一手ずつ見張る代わりに、確認の工程が手順の中に組み込まれている。README は、立てた計画から外れずに2時間ほど自走することも珍しくない、としている。
注意点
小さな修正にも手順が付いてくる。 決まりは「少しでも当てはまれば使う」なので、1行直すだけでも質問や計画が挟まりうる。手早く済ませたい作業が中心の人には重く感じるはずだ。人が CLAUDE.md などで明示した指示のほうが優先される作りにはなっている。
テストを先に書く流儀が前提。 テスト駆動を強く求めるので、テストをほとんど書かない案件や、見た目の調整が中心の作業とは噛み合いにくい可能性がある。
任意の画面表示を使うと、外に通信する。 設計を詰める段階で使える画面表示(使うかどうかは任意)が、既定では開発元(Prime Radiant)のサイトからロゴを読み込み、その際にバージョン情報が送られる。README によれば、環境変数 SUPERPOWERS_DISABLE_TELEMETRY を設定すると止められる。
エージェントごとに入れ直しが要る。 Claude Code と Codex を併用するなら、それぞれに導入する。
ライセンスは MIT。