sapientinc/PRAXIST
すでに動く研究プロジェクトの改良を、AIの研究チームに世代単位で回させる
どういうものか
コンピューターで実行でき、結果を数字で測れる研究を、AIに自動で進めさせる仕組みだ。前提は2つあり、すでに動いているプロジェクトと、良し悪しを分ける指標があること。そのうえで、次に何を試せば良くなるかが分かっていない場面を受け持つ。Python 3.11 以上で動き、Sapient Intelligence が公開している。
進め方は「世代」の繰り返しだ。各世代で、複数の研究エージェントが並行して改良案を作る。評価器が結果を測って証拠の形に整え、計画役がその証拠をまとめて次の世代の方針を決める。これを、結果が収束するか予算が尽きるまで続ける。README によれば、決められた範囲でパラメーターを探す AutoML と違い、エージェントは手法や構成、戦略そのものを変えられる。
結果を信用できるように、指標・評価手順・比較の基準・合格ラインは走らせる前に決めておく。すべての候補は同じ評価器で測り、無効な結果や疑わしい結果は外す。元のプロジェクトは書き換えず、実行の成果物は別の場所に残す。操作の窓口は Codex を勧めていて、Codex の中でスキル $praxist-takeover を呼ぶと、準備の確認を行い、確認に通れば実行の開始までを引き受ける。Claude Code からも使える。
どんなときに使うか
指標はあるのに、次に何を試せば伸びるか分からないとき
ベースラインが動いていて、数字で良し悪しが言える研究なら、複数の方向を並行して試させ、効いたものを次の世代で掘り下げさせられる。
手で回している試行錯誤のループを、まるごと任せたいとき
README は、研究者がすでに手で繰り返している改良の作業を、そのループごと引き受けるものだと説明している。うまくいかなかった場合も、試した方向を否定する証拠と監査レポートが残る。
注意点
オープンソースではない。 ライセンスは Fair Source License 1.0 で、ソースは読めて改変もできるが、使えるのは自組織の中まで。改変版を単体の製品やサービスとして第三者に配るには、書面の同意が要る。年間売上(関連会社を含む)が100万米ドル以上の組織は、商用ライセンスの交渉も要る。大学や公的研究機関が自ら行う教育・学術研究は、この売上の条件の対象外だ。生成したものを外部に公開するときは「Praxist by Sapient Intelligence」の表記を残す必要がある。
まだ動かないプロジェクトには使えない。 前提が欠けていれば、Praxist は止まって何が足りないかを伝える。データセットを勝手に取ってきたり、シミュレーターを作ったりはしない、と README は書いている。
改善は保証されない。 README 自身がそう書いている。選ばれた案が何を変えたかは、自分の環境で確かめ直すよう勧めている。
費用は並列数と世代数で膨らむ。 Codex の契約を使うモードなら API キーは要らないが、API を使う場合の費用は並列数・世代数・評価にかかる時間で変わる。README も小さく試してから広げるよう勧めている。
継続的に動作確認されているのは Linux だけ。 Python 3.11 と 3.12 の Linux が対象で、macOS などは互換対象の扱い。研究を始める前に praxist doctor で確かめるよう書かれている。