mattpocock/skills
コーディングエージェントに、書き始める前の「詰める工程」を持たせる
どういうものか
Claude Code や Codex のようなコーディングエージェントに読ませる、手順書の詰め合わせです。TypeScript の教材で知られる Matt Pocock 氏によるもので、engineering 系と productivity 系を合わせて25本が入っています(ほかに作りかけのものと雑多なものの置き場もあります)。1本1本は Markdown の指示書で、コードではありません。
収録されているものは、呼び出し方で2種類に分かれます。 人が /grill-me /to-spec /tdd のように名前を指定して起動するもの(依頼を問い詰める、仕様に落とす、テストを先に書く、といった段取りを担当する)と、エージェントが必要と判断したときに自分で読みにいくもの(バグの切り分け方、ドメインのモデリング、コードレビューの観点といった「作法」を担当する)です。前者が流れを決め、後者がその中の細かい判断を支えます。
作者が敵と見なしているのは、思い違いのまま実装が進んでしまうことです。だから最初に、使う人の依頼を問い詰める工程が置かれ、そこで出た合意が仕様になり、チケットになり、実装に渡ります。あわせて CONTEXT.md という「このリポジトリではこの言葉をこの意味で使う」の置き場を作り、毎回長い説明を書かずに済むようにします。導入後に /setup-matt-pocock-skills を1回だけ走らせ、課題管理を GitHub・Linear・ローカルファイルのどれで回すかを決める作りです。
どんなときに使うか
出てきたコードは動くのに、頼んだものと違うとき
依頼を投げると素早く動くものが返ってくるが、読んでみると前提がずれている——という繰り返しに効きます。/grill-me は先に人へ質問を返す作りなので、着手前にずれが表に出ます。待たされる工程が増えるぶん、作り直す回数が減る、という取り引きです。
同じ前提を毎回書かされているとき
同じ前提を毎回打ち込んでいるなら、スキルを入れなくても CONTEXT.md の考え方だけ真似できます。置き場が1つあるだけで、説明の量が変わります。
注意点
入れれば速くなる、という道具ではありません。 中身は指示書なので、効くかどうかは書かれた進め方が自分たちのやり方と合うかどうかで決まります。作者は「vibe coding ではなく実務のアプリ開発向け」と明言していて、確認の工程を厚く取る作りです。とにかく速く動くものが欲しい場面とは、方向が逆になります。
課題管理の前提が入ります。 /to-tickets /triage あたりは、GitHub Issues・Linear・ローカルファイルのいずれかに紐づけて使う想定です。この形が合わないチームでは、使えるスキルが減ります。
全部を入れる必要はありません。 1本1本が独立した Markdown なので、インストーラで入れたうえで中身を読み、合うものだけ残す使い方ができます。ライセンスは MIT です。