THU-MAIC/OpenMAIC
資料を放り込むと、複数のAIが役割を分けて授業をしてくれる
どういうものか
題材を一言書くか、手元の資料を投げ込むと、授業まるごとを組み立てて再生するソフトです。清華大学の研究グループが公開しています。受け取れるのは PDF、Word、PowerPoint、表計算のほか、音声・動画・画像・テキストまで(音声と動画は、ffmpeg か対応サービスを別に用意しないと取り込みに失敗します)。中身を読んで目次を立て、その一項目ずつを「場面」に変えていきます。
場面には4つの種類があります。スライド、小テスト、対話型のシミュレーション、そして課題に取り組む形式です。再生を始めると、複数の AI がそれぞれ別の役割で動きます。スライドを読み上げながらレーザーポインタで指し示す、複数体で討論する、その場でホワイトボードに図や数式を描く、小テストを採点してその場で講評する、といった具合です。教室で起きることを28種類以上の動作に分解してあり、LangGraph で組んだ「進行役」がその順番を捌いています。
出てきたものは持ち出せます。編集できる PowerPoint、単体で開ける HTML、授業まるごとの書き出しに対応しています。もう一方のモードである Pro workbench では、生成の途中で AI と会話しながら「このページを直して」と指示を出せます(既定では無効で、設定で有効にする必要があります)。
どんなときに使うか
分厚い資料を、読む以外の形で頭に入れたいとき
長い PDF を前にして進まない、というときに、講義と小テストの形に組み替えてもらう使い方ができます。読み上げてもらいながら、途中で質問を挟める形になります。
教材のたたき台を短時間で用意したいとき
編集できる PowerPoint として書き出せるので、生成物をそのまま使うのではなく、下地として受け取って手で直す、という進め方ができます。ゼロから構成を考える手間だけを省く形です。
注意点
同梱物のライセンスが一様ではありません。 本体は MIT ですが、README は同梱パッケージのうち packages/mathml2omml が LGPL-3.0-or-later だと明記しています。リポジトリごと再配布する場合は、この部分に別の条件がかかります。本体が MIT だからと一括で扱うと、そこだけ条件が違うことになります。
モデルの用意が要ります。 最低1つは LLM が必要です。外部の事業者を使うなら API キーが要ります。音声合成、音声認識、画像生成も、それぞれ事業者を選んで設定することになります。Lemonade や FunASR を使えば手元で完結させられる、とも書かれていますが、いずれにせよ設定の量は多めです。上位モードの Pro workbench には PostgreSQL も要ります。
出来のばらつきはモデル側に出ます(記事の見立て)。 README がこの点について書いているのは推奨モデルまでで、「品質と速度の釣り合いがよい」ものと、「いちばん品質は高いが遅い」ものを挙げています。深い対話モードは 3D やシミュレーション、ゲーム、プログラミングまで生成する仕組みなので、使うモデルで仕上がりが変わることは見込んでおいたほうがよさそうです。
新しいプロジェクトです。 v1.0.0 の公開は 2026年8月27日。動く範囲が広いぶん、設定の作法が変わる可能性はあります。